ビタミンAの妊娠中・妊活中の摂取について

こんにちは。日本ニュートリション協会公認のサプリメントアドバイザーの資格を持つ長田かおりです。

妊活にはバランスの良い食事を、というのは分かっているけど、これだけは摂っておいた方がいいよ!という栄養素が知りたい方に、これから順番に紹介していきたいと思います。今回はビタミンA編です。

ビタミンAにはどのような役割があって、妊活や妊娠にどう影響するのか、摂取する上での注意点や、上手に摂るためのレシピも紹介していますので参考にしてください。

ビタミンAはどんなビタミン?

野菜
ビタミンAは、体内で作ることができないため、食品から摂取する必要がある栄養素です。普段の食事から摂りやすく、β(ベータ)カロチンといえばピンとくる方も多いと思います。野菜でいえばニンジン、動物性でいえばレバーが代表的です。

ビタミンAはアルファベットのAを命名されている通り、一番初めに見つかったビタミンの一つで、脂溶性のものが「ビタミンA」、水溶性のものが「ビタミンB」と名付けられました。

ビタミンAは3種類ある

少しややこしいですが、ビタミンAは大きく分けて3種類あります。

1.動物性食品に多く含まれる「レチノール」

2.野菜や果物に多く含まれる「食品由来βカロチン」

3.サプリなどに使われる「油溶性のβカロチン」

レチノールとβカロチンとでは、ビタミンAの換算量が違うので注意が必要です。

レチノール 1μg = 食品由来βカロテン12μg

レチノール1μg = 油溶性βカロテン2μg

レチノールの方が少ない量でビタミンAを補え、食品由来βカロチンからだと12倍近くを摂取してやっとレチノールと同じ量のビタミンAが補える計算です。

サプリメントで使用される「油溶性のβカロチン」では2倍の量が必要になります。

厚生労働省が推奨する1日のビタミンA摂取量はレチノールで表示されています。

ビタミンAの1日の目安摂取量(レチノール活性当量)

成人男性:800µg~900µg

成人女性:650µg~700µg(妊娠後期は730µg~780µg)

レチノールはµg(マイクログラム)で表示され、βカロチンはmg(ミリグラム)で表示されていることが多いので、サプリメントなどを購入するときは、どれくらいのビタミンAが補えるかをしっかり確認する必要ありますね。ほんと、ややこしいです。

ビタミンAの働きと妊娠中の摂取

ビタミンAは、新しい皮膚や粘膜を作るときに必要な栄養素で、肌荒れやシワ予防として美容系のサプリメントでも使われています。

βカロチンは、粘膜をつくる他にも、細胞の老化を予防する抗酸化作用があり、βカロチンは健康に欠かすことができない重要な栄養素なんです。

妊娠中は胎盤を通して赤ちゃんもビタミンAを必要とし、不足すると赤ちゃんの健康に影響することがわかっています。

だったらたくさん摂らなきゃ!と思いますが、ちょっと待って!!

ビタミンAの取り過ぎも、赤ちゃんへの健康リスク(奇形など)があるんです!

不足もダメ、摂り過ぎもダメ、じゃあどうすればいいの!?

野菜などに含まれる食品由来のβカロチンは、必要な分だけがビタミンAに分解吸収されるので、過剰摂取にはならないんです!

妊娠中は、レバーなどの動物性のビタミンAは控えて、野菜などのβカロチンからビタミンAを摂った方が安心ですね。

ビタミンAの上限量と過剰摂取

ビタミンAの摂り過ぎは健康を損なうことが分かっています。

1日の耐用上限値:2700µg(日本人の食事摂取基準より)

脂溶性のレチノールは、摂りすぎると体の外に排出されず、肝臓など体内に溜まり続けてしまいます。

一度体に溜まってしまうと、ビタミンAの濃度が低下するまでに時間がかかるため、レチノールの摂りすぎには注意か必要です。

ビタミンAと妊活の関係

ビタミンAの一般的な働きはよく耳にしますが、妊活にはどのような役割があるのでしょうか。

ビタミンAは、皮膚や粘膜を健全に保つ作用があり、子宮内膜をつくるのに必要となります。

ビタミンAの元となるβカロチンは、抗酸化作用が高く、卵子や細胞の老化を防いで質を高める働きがあり、妊娠の妨げとなる子宮内膜症の予防にもビタミンAが有効なことがわかっています。

栄養療法クリニックの森谷医院長のブログでは、子宮内膜症の予防にビタミンAの摂取をすすめています。

副作用のないビタミンAで改善できたら嬉しいですね。

ビタミンAを多く含む食品トップ5

◆ビタミンAを多く含む動物性食品

100g当たりレチノール当量

豚レバー(スモーク)・・・17,000μg

鶏レバー(生) ・・・14,000μg

豚レバー(生) ・・・13,000μg

アンコウの肝(生) ・・・ 8,300μg

やつめうなぎ(生) ・・・8,200μg

あゆの内臓(焼き)・・・6,000μg

◆カロチンを多く含む野菜類

100g当たりのβカロチン当量(レチノール当量)

唐辛子・・・17,000μg(1,500μg)

にんじん・・・12,000μg(1,000μg)

しそ・・・11,000μg(880μg)

にんじん・・・10,000μg(730μg)

モロヘイヤ・・・10,000μg(840μg)

かぼちゃ、ホウレン草・・・4,000μg~5,400μg(300μg~450μg)

食品分析データベース調べ

ビタミンAの含有量はレバーが断トツですが、レチノールは過剰摂取の危険があるので、食べる量には気をつけないといけません。

にんじんはβカロチンを含む代表的な食材ですが、ほとんどの栄養が皮の内側に集中していて、中心部と比べるとβ-カロチンは2.5倍、ポリフェノールは4倍も違います。

ビタミンAは熱に強く水に溶けにくいので、油と一緒に摂ると吸収が良くなります。加熱することで吸収が2倍にもなるため、油を控えたい時にはスープやポトフなど煮込み料理がおすすめです。

カボチャやほうれん草も料理に使いやすく、葉酸も含まれているので、妊活中や妊娠中にはおすすめの食材といえます。

病気に強くなる1日1600kcalレシピ

吉川 敏一 宗像 伸子 (著)「病気に強くなる!1日1600kcalレシピ」には、ビタミンAの吸収を高める簡単レシピが掲載されています。

ビタミンAサプリメントのメーカー比較


厚生労働省が推奨するビタミンAの摂取量は、レチノール活性当量で計算しているので、βカロチン(プロビタミンA)の量が表記されていてもあまり意味がありません。レチノールと、βカロチン(プロビタミンA)は相当量が違うのでサプリメントを購入するときはきちんと確認しましょう。

各社のビタミンAサプリメントを調べてみました

えがお(別ウインドウで開きます)
・商品名:えがおのベータカロテン 831円(税込み)
・1粒でレチノール約600μg相当
・キャッチコピー:野菜由来の天然サプリで安心

株式会社ファンケル(別ウインドウで開きます)
・商品名:カロテンA ナチュラルミックス 1,183円(税込み)
・1粒でレチノール660μg相当
・キャッチコピー:6種類の天然カロテノイドが補える

DHC(別ウインドウで開きます)
・商品名:天然ビタミンA 1,576円(税込み)
・1粒でレチノール550μg相当
・キャッチコピー:野菜不足が気になったら

大塚製薬(別ウインドウで開きます)
・商品名:ネイチャーメイド ベータカロテン 140粒 1,058円(税込み)
・2粒でベータカロチン3.6mg
・キャッチコピー:にんじん1.5本分のベータカロチン

日本のメーカーから発売されているビタミンAは、植物性のプロビタミンAが配合されているため、過剰摂取の心配はなさそうです。

まとめ

ビタミンAは、葉酸やビタミンEと比べて、あまり妊活に必要なイメージがありませんが、着床しやすい子宮内膜のために働いてくれる大切な栄養素です。

また、不妊の原因となる子宮内膜症の予防にもなるのも嬉しい効果ですね。

日頃から野菜を食べている方は、ビタミンAが不足してしまう心配はないと思いますが、お腹の赤ちゃんの健康を保つためには、

「不足しすぎない、過剰に摂り過ぎない」ように注意が必要なんですね。

「レバーなどのレチノール」からビタミンAを摂取するよりは、過剰摂取の心配のない「野菜のβカロチン」からビタミンAを摂取するのが安心です。

私たちの体内で作ることができないビタミンAですから、サプリメントを活用するのも賢い方法かもしれません。