人工授精のメリットとデメリットとステップアップ時期

知ってるようで知らない人工授精の基本とは?

人工授精へステップアップするタイミングに悩まれているご夫婦は、人工授精をするメリットとデメリットの両方を知った上で後悔のない治療を選択したいですね。

人工授精とは受精の確率を上げるために精子を子宮内に人工的に送り込む治療法です。

人工授精の妊娠率は病院によって多少の差はありますが、一般的に5~10%ほどと言われています。

クロミッドなどの排卵誘発剤を使用した場合は20%と少し高くなります。

タイミングに比べると妊娠の確率は上がりますが、人工授精には妊娠率アップの目的以外にも様々なメリットがあります。

人工授精までの流れ

人工授精を行うには、卵子の成長を促す排卵誘発剤を使う方法が一般的です。

排卵誘発剤はクロミッドなどの低刺激ホルモン剤や、hMGなど注射による高刺激ホルモン剤など様々ですが、ホルモン値や卵巣機能の状態によって使用する薬を検討します。

超音波エコーや採血によるホルモン値で卵胞の成長を慎重に見ながら人工授精を行う日を決めます。

卵子の成長が思うように進まないときは排卵誘発剤をプラスすることもあります。

卵子が成熟卵になったら薬を使って排卵させます。排卵させる薬はHCGの注射が一般的ですが、注射が苦手な方やhCGがあわないときは点鼻薬を使用することもあります。

人工授精当日の流れ

人工授精の当日で一番大切なことは、自宅で採取した精子を冷やさないように病院に持っていくことです。

下着の間に挟んだり、ポケットに入れて持っていくという方が多いです。

精子を病院へ持っていくのは男性本人でなくても女性でもOKです。

自宅での採精に抵抗がある場合は、採精室を備えた病院もあるので、リラックスできる方を選択するといいですね。

採精した精子はそのまま使うことはなく、一度洗浄して余分な分泌物や動いていない精子を取り除きます。

洗浄処理をすることで精子の濃度が上がり、量や運動率の数値も上がります。

女性は診察台に上がり、処理した精子を子宮内へ注入します。治療にかかる時間は1~2分ほどで、その後は診察台やベッドで15分ほど安静にして帰宅となります。

診察台から下りたときに精液が出てくることがあります。病院によってはナプキンを渡されますが、念のため下着にナプキンをセットしておいた方が安心ですね。

精液がたくさん出てきてしまうと、子宮内の精子が減っているのでは?と思ってしまいますが、必要な分は卵子に向かって泳いでいっているので心配はいりません。

人工授精後はどうやって過ごした方がいい?

思ったよりあっけなく終わる人工授精ですが、緊張やストレスで気持ち悪くなったり体調を崩す方もいます。

人工授精をした当日は無理をせずに温かくして安静に過ごしましょう。ストレスを溜めないようにゆっくりリラックスする事も妊活の一つです。

人工授精のメリット・デメリットとは?

人工授精のメリット

1.排卵日のタイミングを気にしなくてもいい

「セックスはしたくないけど赤ちゃんは欲しい」と思っているご夫婦は意外と多いのではないでしょうか。

性交痛や射精障害がある場合はもちろん、仕事などで排卵日のタイミングがあわない、毎月そんな気分になれないなど、タイミングを合わせる子作りが大きなストレスになっている場合、人工授精はうってつけの治療法だといえます。

2.確実に排卵させることができる

タイミング中の排卵日の予測は、基礎体温や排卵日検査薬、病院では卵胞チェックや血液検査のホルモン値によって排卵日を予測しますが、確実とはいえません。

もうすぐ排卵しそうだけどなかなか排卵しない、なんてこともあります。

一般的な人工授精では排卵させる薬を使いますので、無排卵でやきもきしていた人にとっては、人工授精のメリットは大きいかもしれません。

排卵の問題だけであれば、人工授精はせずに排卵誘発剤で排卵だけさせてタイミングを取るという方法でもよさそうですが、排卵後に精子を確実に子宮に送り込んでもらえる安心感は、人工授精で得られる大きなメリットかもしれませんね。

3.精子の状態がわかる

精子検査に問題があった場合、少しでも確率を上げるために人工授精にステップアップするのはよくある事ですが、精子にとくに問題がなかった場合でも、検査したその時の状態がたまたま良かったという事もありますよね。

人工授精では毎回精子の状態を検査してから、さらに洗浄して余分な分泌物を取り除いた精子が使われます。

今月は旦那さんが疲れているから精子も元気ないかな?などモヤモヤすることはなくなります。

4.新たな気持ちになれる

タイミングによる妊活を続けていると、どうしても同じ事の繰り返しでマンネリ化してしまいますよね。

夫婦生活が義務的となり始めたら、人工授精にステップアップする時期かもしれません。

新しいことにチャレンジすることで夫婦の会話も増えますし、何より希望を持って取り組むことができますよね。

人工授精のデメリット

1.費用の負担が増える

人工授精は保険適用外のため治療費が自己負担となります。

1回にかかる金額の目安は1~3万円ほどです。

排卵誘発剤などを使用するとその分金額が高くなり負担が大きくなります。

最近では一般治療費や人工授精でも助成金を受け取れる自治体が増えていますので、助成金制度の有無や用意する書類など、近くの役所や保健所に問い合わせてみるといいですね。

2.急な通院など予定が立てにくい

人工授精の予定日はある程度予測できますが、卵胞の育ち具合によって日程が前後することがあります。

仕事をしながら治療をしているご夫婦にとっては、突然の予定変更で会社を休んだり、ストレスを感じる場面があるかもしれません。

人工授精へステップアップするタイミングは?

年齢によってもステップアップのタイミングは違ってきますが、どのくらいタイミグを続けてから人工授精にステップアップするのが良いのでしょうか?

アメリカの研究では、200組のカップルが子作りのためにタイミングを取ったところ、1周期目で妊娠したカップルは59組で、妊娠率は30%という結果がでました。

残り137組が次の周期も続けてタイミングを取ったところ、1組目と同じ30%の妊娠率で41組が妊娠したことが分かりました。

その後も妊娠率を調べた結果、5周期目までの妊娠率は15%以上あったのですが、6周期目では8%まで、1年後には3%まで下がる結果となりました。

このような研究データから、妊活をはじめて半年から1年ほどで人工授精にステップアップするのが一般的と言われています。

人工授精にステップアップしてもタイミング法に戻ることはできるので、あまり構えずにベストな方法を選びたいですね。

人工授精の疑問を解決!

Q:採精前は禁欲した方がいいの?

A:精子は射精する度に作られるので、新鮮で元気な精子のために2日以上の禁欲はしない方がよいと言われています。

精子の数値は前日までの体調が影響しやすいので、早めに寝るなど体をゆっくり休めます。

Q:人工授精って痛い?

A:子宮の中に精子を送り込むための器具や、カテーテル(精子を送り込む管)を使うときに痛みを感じる場合もありますが、基本的には痛みの少ない治療です。鎮痛剤を出してくれる病院もあるので、痛みが心配な方は相談してみてくださいね。

Q:当日はお風呂に入ってもいいの?

A:病院によっては入浴や性交渉は控えるように言われますが、シャワーならOKという先生もいます。

どちらが正しいのか悩んでしまいますが、入浴も性交渉も控えておいた方が無難ですね。人工授精後の高温期は生活などに制限はないですが、体を温めてゆったり過ごすようにしましょう。

まとめ

人工授精自体は体への負担が少ない治療法ですが、パートナーが採精に協力してくれないと成立しません。

少しでも確率を上げたいと頑張っている女性にとって一番のネックは、男性の理解が得られないことかもしれません。

「精子を自分で病院に持っていかないといけない」と誤解している男性は多く、人工授精がどういう治療なのかを分かりやすく説明してあげることも大切ですね。

自然妊娠にこだわってタイミング法を続けることで、女性が年齢を重ねて妊娠のチャンスを逃してしまうという事もあります。

ステップアップの時期を逃さないようにご家族にも前向きな気持ちで応援してもらいたいですね。